story#01

そうべつ人の暮らし
移住者インタビュー
渡辺ご夫妻

Cafe Jalibu 渡辺さんご夫妻

◯ 雅也さん
北海道出身 ▶ 東京〜札幌 ▶ 壮瞥町
<移住歴9年>

◯ めぐみさん
東京都出身 ▶ 壮瞥町
<移住歴4年>

自分の「店」を持ちたい。気負わずマイペースな、段階的移住スタイル。

壮瞥町で偶然出合った、 築60年の古民家。

Jalibuとは、スワヒリ語で「挑戦する、頑張る」などの意味があるそうだ。ご主人の雅也さんが、料理の世界に飛び込んだ最初のお店の名前、それが〈コパ・ジャリブ〉という。東京・吉祥寺でレゲエミュージックを盛り上げてきた今は無き名店で、雰囲気が良く、仲間たちが集う伝説のバーとして知られている。
『北海道でジャリブをつくる』。ひそかに抱いていた雅也さんの夢が、ここ壮瞥町で叶えられたのは、いくつかの大切な出会いがあったからだ。ひとつは、古民家との出合い。「私はもともと壮瞥町の隣、登別市の出身なんです。上京して〈コパ・ジャリブ〉をはじめ東京や札幌など各地で経験を積んでいる時、たまたま壮瞥町の旅館で調理補助の募集があって。そこで従業員の皆さんと仲良くさせてもらっているうちに、自分の店を持ちたいと話したら、500m先に空き物件があるよって。それが、この店なんです」。

店内 雅也さん

必然の出会いだった、 めぐみさんとの再会。

旅館のオーナーが古民家の持ち主に取り次いでくれ、話はトントン拍子に進んだ。築60年というが、梁も立派で飾り窓も綺麗なまま。リノベーションするというよりは、この家の良さを生かそうと思い、床の張替えやカウンターなど最低限の改装にとどめた。
「それでも改装していると貯めていた資金も底を突いてしまいます。私が初めて壮瞥町に来たのが2007年で、店のオープンは2009年。最初の2年間は、野菜農家さんでアルバイトをさせてもらって、お金を貯めながら準備しました」。
旅館のオーナー、古民家の大家さん、そしてアルバイト先の農家さんや改装を手伝った人々。壮瞥町でのさまざまな出会いが、〈北海道のジャリブ〉開店を現実のものにしたのだ。
そして、もうひとつの重要な出会いが、奥様となるめぐみさんとの再会。めぐみさんは東京の〈コパ・ジャリブ〉に通うお客さんの一人だった。2011年に雅也さんと東京でばったり出会い、翌年には〈北海道のジャリブ〉を手伝うため壮瞥町に移住してきたのだという。

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ふたりのセンスが奏でる、 居心地のよい空間。

東京出身のめぐみさんに、壮瞥町に来る不安はなかったのかと尋ねてみると。「祖母が函館にいたので北海道に縁はありましたが、この辺りはまったく初めてでした。〈洞爺湖〉って何て読むの?っていうくらい(笑)。そうえいばサミットの開催地だったかな、という程度でしたね」。けれど、ふたりはきっと、出会うべくして出会ったのだ。
ジャリブの店内には、夫妻のセンスで選び抜かれたアンティークの家具や薪ストーブ、大家族が集まってきそうな昭和のテレビ、そこに、音楽好きの雅也さんのレコードと、読書好きのめぐみさんが集めた雑誌や絵本などが並び、なんとも居心地のよい空間。
もちろん店の外観も、古さの中に温かさが感じられる佇まい。ジャリブは、湖岸を走る道道132号線沿いに建つ古民家だが、ラスタカラーの看板、玄関先には木製の牛乳箱やホーローの外灯など、どこかほっとする昭和の薫りが、時間の流れを変えてくれる。
そして、入口すぐのカウンター席からは、湖面の風景を正面に望むことができるのだ。

ご夫妻 アンティークの家具

店舗も自宅も借家。 それでも、 充分暮らしていける土地。

眼前に広がる洞爺湖を横目に雅也さんは、「出身地が近いので土地勘はありましたが、壮瞥町に住んでから一層、日々移ろう大自然の豊かさを感じられるようになりました」。
そして、めぐみさんは、「人との距離が近いのが、都市にはない魅力です。大家さんは近くに住んでいらっしゃるので、お野菜をもらったり、私がケーキを作ったら持って行ったり。町の皆さんには本当によくして頂いています」。
結婚前は、店舗である古民家の2階を住居にしていたという雅也さん。ふたり暮らしの今は、店からほど近い町営住宅の3LDK住まい。店舗も、自宅も借家で、店は冬季間休業。冬は高速道路の除雪作業などの期間就業で収入を得ているが、それでも充分に生活ができるのが壮瞥暮らしの魅力といえそうだ。「開業前から町の皆さんには声をかけて頂き、飲み会にも誘ってもらいました。でも若い人はまだ少ないから、移住で人が増えたら面白いかなって思います」。店が軌道にのった今は、自分たちのペースでもっと北海道ライフを満喫できないかと模索する日々。夫婦で好きなことを共有しながら、のんびりと"頑張る"。それが〈北海道のジャリブ〉スタイルだ。

Pick up

店内に入ると、時間がゆっくりと流れる。音楽を聴いたり、読書したり・・・。さて、何を食べようか。

タイやベトナム料理をベースとした無国籍料理と、ケーキやお茶でまったり。写真上は、「ジャリブ旅人カレー」850円。

店舗横にある納屋では、ジャリブからの"出前"を待つ2匹の猫たちが、気まぐれに来客を出迎えることも。

Cafe Jalibu カフェ ジャリブ

北海道有珠郡壮瞥町壮瞥温泉74
TEL:0142-73-3005 営業時間:11:30〜20:00(L.O) 毎週木曜ほか不定休(冬期間休業)

http://www.cafejalibu.com

https://www.facebook.com/cafejalibu

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