今回ご登場いただく移住者は、佐々木尊英(たかひで)さん。
インタビュー中は親しみやすい笑顔とトークで終始、和みムード。しかし、サックスを手にした途端に、「Son-A(ソンエー)」としてアーティストの顔に一変する。
60代半ばの尊英さんは、長年勤務した横浜の会社をセミリタイアし、壮瞥町へ移住。フルリモートで専門的な職務を全うしながら、ある時はサックス、ある時はフルート奏者として仲間とステージに立ち、演奏活動を楽しんでいる。
壮瞥町役場から徒歩10分圏内のご自宅は、町の市街地エリア。幹線道路から程近い場所にもかかわらず、バルコニーの向こうには豊かな緑が広がっている。
「移住先で家を探す時の条件は、近隣に住宅があまり無いこと、楽器の音を出せること、海や山が見えること、でした。壮瞥町に海はありませんが、このバルコニーの先には町民が守り続けてきたという清流の壮瞥川が流れ、緑の借景を楽しみながら音も出せます。車で少し走れば洞爺湖が、歩けば昭和新山を間近に見る。そして、一戸建てとしては珍しい賃貸だったことも決め手の一つでした」。
横浜のご自宅をそのままに、妻の祐子さんと移住。社会人の息子さん・娘さんたちが横浜の自宅を守ってくれるので、必要があれば祐子さんが短期間で横浜へ帰るというライフスタイルだ。
「妻は横浜出身なので涼しい場所に住んでみたいと。よく考えると長野なども候補に挙げられるけど、当時は北海道しか思い浮かびませんでした。私は室蘭出身、この地域の気候を知っているつもりでしたが、最近は北海道も猛暑日があり、妻は驚いていますが、空気の質は清々しいです」。