そうべつ手帖

自然の芸術作品「しぶき氷」とは?

壮瞥町の地域おこし協力隊の"ながとも"です。

皆さんは「しぶき氷」をご存知ですか?

しぶき氷は自然が作り出す造形作品で、いくつかの条件が重なることで起こる非常に珍しい現象です。

私がとっても感動した景色を皆さんにも味わっていただきたいので、写真とともに「しぶき氷」についてご説明しますね!



しぶき氷とは?

しぶき氷とは、海や湖の波しぶきが湖岸や海岸にある木々や岩などに氷結して少しずつ成長し、氷の彫刻のような美しい造形物を作ることです。

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こちらの写真がなんとなくイメージしやすいでしょうか?
木に湖のしぶきが ざぶ〜ん と、かかっている瞬間を捉えていますが、これを繰り返し繰り返し行うことで氷が育っていくのです。

自然が作り出すものなので、気温や風の強さなどの気象条件、しぶきがかかる木の形や角度によってもどのようなしぶき氷が造り出されるか変わります。
何度も訪れて変化を楽しむこともできますね!

しぶき氷はもちろん冬に見られる現象ですが、寒さが厳しい時期であれば起こるとは限りません。
・海面や湖面が凍らない
・絶えず波しぶきが上がっている
・波しぶきがすぐ凍るほど寒い

この3つの条件が揃わないとしぶき氷は発生しないので、国内ではとても珍しい現象と言われています。



洞爺湖のしぶき氷をご紹介!

写真はこの冬に私が撮影した洞爺湖畔での「しぶき氷」の写真です。

しぶき氷写真①「洞爺湖の中島を背景にしぶく氷!!」

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しぶき氷写真②「中島と羊蹄山を背景に木にしぶき氷」

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しぶき氷写真③「洞爺湖しぶき氷の一滴」

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しぶき氷写真④「木琴ならぬ氷琴」

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しぶき氷写真⑤「氷柱のしぶき氷」

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凍らない湖、洞爺湖について

先ほどしぶき氷ができる条件の1つとして「海面や湖面が凍らない」を挙げました。

北海道には100以上の湖があり、そのほとんどが冬期に結氷するそうですが、道内の中で凍らない湖(不凍湖)として知られているのは「洞爺湖」と「支笏湖」のふたつです。
(ちなみに、日本の不凍湖の中で最北端にあるのが支笏湖で「日本の北の不凍湖」と呼ばれています)

洞爺湖の位置関係は是非こちらの動画をご覧ください。

「Discover Sobetsu(魅力いっぱい!壮瞥町マップ)」

氷が凍らない2つの理由

湖がなぜ凍らないのか?そのポイントは「深さ」と「対流」にあります。

洞爺湖の水深はおよそ180m。日本で6番目に深い湖です。

夏は暖められた軽い水が湖面にあり、冷たく重い水が湖底にあります。
秋になると湖面の水温が下がり始め、対流と風による混合によって徐々に深くまで冷たい水が沈降していきます。

冷却による混合が湖底まで到達すると、湖全体が同じ水温となり、それから湖面付近の水温が下がっていきます。
外気温がいくら厳しい氷点下に冷え込んでも、湖全体が冷えないと湖面の結氷が始まらないため、深く容積の大きい湖ほど結氷に長い時間がかかるわけです。

ただ過去には全面結氷した年もあったようです。それほど寒いということですね。



カルデラ湖について

洞爺湖は今からおよそ11万年前に巨大な火山活動で窪地ができ、そこに水が溜まった湖、カルデラ湖です。
凍らない秘密に深さが関係していましたが、それだけ大きな火山活動があったことがわかります。
このしぶき氷が11万年前の火山活動によってもたらされた奇跡の瞬間だと思うと、しびれますね!

洞爺湖周辺地域は「洞爺湖有珠山世界ジオパーク」といって、世界ジオパークにも認定されている地域です。

地球の生み出したこの奇跡の地形が素晴らしい景色につながっているのですね!
ぜひジオパークにも興味を持っていただけたらと思います。



支笏湖のしぶき氷

先ほど日本の北の不凍湖と呼ばれる「支笏湖」をご紹介しました。支笏湖の美しいしぶき氷をご紹介します!

しぶき氷写真①「ふりこのようなしぶき氷」

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しぶき氷写真②「ふりこしぶき氷はこうしてできる?の瞬間」

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しぶき氷写真③「まるで氷のコウモリ・・・」

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と・・・洞爺湖とはまた一味違う支笏湖のしぶき氷でした。
支笏湖の魅力はやはり湖の透明度の高さでしょうか。湖面の透き通った湖が鏡のようになり、しぶき氷がとても美しく写されています。

洞爺湖と支笏湖は支笏洞爺国立公園

洞爺湖と支笏湖は1時間ほどで行き来できますので、「しぶき氷」めぐりもいいかもしれませんね!!

また、洞爺湖と支笏湖は「支笏洞爺国立公園」という国立公園ですので、見学の際はルールやマナーもしっかり守りましょう。
・動植物をとらない、石を持ち帰らない
・施設は大切に使う(落書きは犯罪です!)
・木道や歩道から外れずに歩く
・野生動物に餌を与えない
・ゴミは捨てずに持ち帰る
・喫煙は決められた場所で行う  など

詳しくは環境省が発行している「マナーブック ようこそ国立公園へ」をご確認ください。



しぶき氷を見学する際の注意点

しぶき氷を見学する際は、岩や地面がツルツルに凍っている場所が多いので、滑らないように十分注意しましょう。靴選びも重要ですね。

また、しぶき氷が見られるということはそれほど冷えているということですので、寒さ対策はしっかり行ってください。

車で行く方は、洞爺湖や支笏湖は車が停められる場所が限られています。
危険な路駐はせずに駐車スペースに車を停めて見学してください。



しぶき氷見学の後は壮瞥町の温泉で身も心も温まろう!

見学で冷えた体を温めるのはやっぱり火山の恵み「温泉!!」ですね!

極寒の見学は芯まで冷えます。風邪引かないように、しっかり暖まってくださいね!

【壮瞥町日帰り温泉のご案内】*営業日・時間を必ずご確認ください。

洞爺サンパレスリゾート&スパ(10:00 ~15:00) 詳しくはこちら

旬菜宿房いこい荘(15:00~21:00) 詳しくはこちら

ばんけい温泉 湯人家(ゆのとや)(11:00~21:00) 詳しくはこちら

久保内ふれあいセンター(10:00~20:30) 詳しくはこちら

他にも壮瞥町ではたくさんの宿泊施設や温泉施設が楽しめますので、ぜひご利用くださいね!

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