そうべつ手帖

アイヌ語地名を巡るガイドをしました

みなさんこんにちは。壮瞥町地域おこし協力隊の中岡です。
令和4年10月に洞爺湖有珠火山マイスターの認定を受けてから、はじめてのガイドを行いました。

それは洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会主催で
洞爺湖有珠山ジオパーク(伊達市・豊浦町・壮瞥町・洞爺湖町)内でガイド活動をしている皆さまを対象に、
地名(アイヌ語由来を含む)をテーマにした学習会でした。

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「ガイドのための洞爺湖・有珠山のよびなをめぐる学習会」

日時 令和5年3月10日(金) 9:00~17:00
場所 洞爺湖と有珠地区をバスで巡る
講師は私と、同じ洞爺湖有珠火山マイスター14期生の中山さんです。
前半の午前中は私が洞爺湖観光情報センターから「とうや水の駅」まで、後半の午後からは中山さんが洞爺湖町アイヌ民族共生拠点施設「ウトゥラノ」までガイドを担当しました。
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洞爺湖観光情報センター3階『ジオパークと大地の恵み展』でツアーが始まり、はじめは洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会の加賀谷さんから講習会開催の主旨の説明がありました。

先住民族の文化を尊重し、学び、伝える活動

ユネスコ世界ジオパークになるための101のチェックリストに「先住民族=Indigenous People」に関する項目が6個もあり、先住民族の文化を尊重し、学び、伝える活動は、世界的に取り組みが必要な課題とされています。
洞爺湖有珠山ジオパークでも、アイヌ文化の伝承に注力をしていて、2018年にはジオパーク講座「アイヌ語地名と伝承」の実施、2020年はアイヌ語地名を『かわのよびなを旅する』という絵本冊子を発行し、今回はガイド養成ツアーが企画されました。
実は、洞爺湖有珠山ジオパーク内の字名の約40%、河川名の約80%、そして山岳名の約60%にアイヌ語の由来の地名が残っているんですよ。
私が担当した箇所は洞爺湖温泉街から壮瞥町を通ってとうや水の駅へと向かうルートでした。
その道中でもたくさんのアイヌ語由来の名前が残っている河川や山岳が見られます。
ガイド当日はマイクロバスで各地を巡り、大半はバスを下車せずにクイズを交えながら説明しましたが、
私が特に面白いな、これは伝えたいな!と思ったところでバスを降りてお話しました。
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私にとっては初めてのバスツアーという試みだったので、どの場面で何を説明するか、どのように説明したら分かりやすいか・・・
何度もその場所を巡ってシミュレーションを行いました。
そして、準備をしていると地元の方に会い、更に面白いお話を聞くことができました。
最後には何を伝えたいか、何の話を削るべきか、1日を通したプログラムについても考える必要があり、とても勉強になりました。

ガイドツアーを通して感じたこと

この地域に住むアイヌの方たちも大地の恵みをいただきながら、有珠山の噴火と隣り合わせに生き、事前に避難をしたり、和人と助け合って生きていたということも分かりました。

そして、実際に残されているアイヌ語由来の地名を知ることで、この地に住むアイヌの方々にとって、何が生活の中で重要視されていたのか、どのように有珠山や火山と共生しながら暮らしていたか、少しですが見えてきました。
地名を巡りながら、知られていないその地の魅力や歴史などを違う視点から発見することができてとても面白いなと感じましたし、もっと勉強して興味を引くストーリー作りをしたいと思いました。

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洞爺湖有珠火山マイスターとして減災文化の伝承にも貢献

これからも、この地域の素晴らしい魅力を国内外の人に伝え、先人達が築いてきた減災文化の伝承に貢献できるよう精進していきたいと思いました。
また、多世代・異文化・生物多様性・・・様々な壁を越えてお互いに尊重し合い、共生し、助け合いができる地域づくりを目指して活動し、多くの人がこの地域を楽しんでもらうきっかけになればいいなと思いました。

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