そうべつ手帖

地域おこし協力隊 はらの農業研修 "岩倉農花園"

こんにちわ!地域おこし協力隊のはらです!

壮瞥町の"食"についての活動を主に行っています。食に関して知るならまずは、農家さんから!ということで、9月中旬から農業研修を受けはじめました。

まず第一回目は、日本人ならやっぱりお米!ということで『岩倉農花園』さんでお米の研修をさせて頂きました!

岩倉農花園さんは、家族経営で農業を営む農家さんで、現在の代表の岩倉賢一さんで3代目です。高校卒業してすぐに就農して、今年で32年ほど農家をされているそうです。

岩倉農花園さんでは、稲作・畑作・花の複合農業を行っており、畑作では、小麦、ビート、あずき、スウィートコーン、ブロッコリー。花は、葉牡丹を生産しています。

中でもお米は、岩倉さんが『美味しいお米を作ろう会』を立ち上げ、ご自身で会長も務められているほど力を入れています。

岩倉さんのお米は、環境にやさしい、安全・安心な農産物として『YES! clean認証』を受けているお米で、9町歩ほどの田んぼで、人気の『ゆめぴりか』と『ほしのゆめ』『ななつぼし』を生産しています。

壮瞥町地域おこし協力隊 農業研修 米
秋空の下、黄金色に染まった田んぼ。この景色がなんとも日本らしくて風情がありますね。

壮瞥町地域おこし協力隊 農業研修 葉牡丹 出荷直前の葉牡丹。色合いがとても美しい。ほとんどが本州へ出荷されるそう。

今回の研修は収穫と乾燥。この作業は、天気によって変動しますが8日間から14日間程度で終了してしまうそうなので貴重な体験です。

田んぼの端は鎌を使って手作業で刈り取り、後はコンバインで列に沿って刈り取っていきます。

刈り取り後の藁がフカフカしていて踏み心地が気持ち良い!

あっという間に作業が終わったのですが、午前中だけで6反の田んぼで3トンの収穫が出来ました!

乾燥・出荷作業は自宅の倉庫にて行います。

今年は8月に雨が少なかった為、例年よりも若干収穫量が少なめだったようですが、9町歩ほどの田んぼで約50トンの収穫だそうです!

お米は、収穫した段階で20数パーセントの水分を含んでいるそうです。水分含量が多いとカビが発生しやすい為、38℃程度の低温でじっくり温め、水分を15%ほどに下げます。その後、貯蔵庫に数日間入れ、熱を冷まし、籾殻を取り、玄米の状態にします。

壮瞥町地域おこし協力隊 農業研修 お米の確認をする岩倉さん 今年のお米の確認を真剣な眼差しで行う岩倉さん。

壮瞥町地域おこし協力隊 農業研修 お米の選別機 お米を大・中・小のサイズに選別し、1袋30Kgになると自動で止まってくれる便利な選別機。

壮瞥町地域おこし協力隊 農業研修 玄米 籾殻を取り除いた玄米。つやつやして美味しそう!

そしてそれらを大粒、中粒、小粒の3段階に選別を行っていきます。大きな粒は、通常の製品として出荷し、中粒は、ブレンド米として、一番小さな粒は、飼料用になるそうです。
そうして最後に30キロに袋詰めを行い、パレットに積み上げて、出荷という流れになります。

稲作技術が世界トップクラスの日本。しかし、最後に30Kgに計量をしてから、袋を閉じてパレットに積んでいく作業は、人力です。量が量だけに腕もパンパン、腰も痛くなっていきます。昔は、全てが手作業で、しかも1俵袋(60Kg)に入れていたそうです。本当に大変な仕事だったことが体験を通して分かります。考えただけでも気が遠くなりますね。

研修中には、台風が上陸して、稲が倒れたり、ハウスの中がグチャグチャになったりしたのですが、今回の台風では、幸いにも被害は小さくすみました。

昨年と今年は、台風が上陸し突風が吹き荒れ、壮瞥町では木が倒木したり、停電になったりと被害がありました。昔から農家さんでは、"申と酉は暴れる"と言われているそうで、先人の知恵と経験はすごいなと思いました!

農業は、天候に左右される仕事です。風が強ければ稲が倒れ、稲を起こす作業が必要になり、大雨が降れば畑の土は流され、機械が入れず、時間と手間はその分増えていきます。そんな中でも、目の前に起きた状況をすばやく判断し、次にやらなければならない収穫や、来年の準備などを頭の中で考えながら、いかに効率良く仕事をこなすかが鍵となります。

岩倉さんは、メカニックにも強く作業効率を良くする為に、冬の期間中は、機械の改造やメンテナンスをご自身で行う時間に当てているそうです。自宅には沢山の農機具や重機と共に、多くの工具と機械があり、それらを活用して作業を行うそうです。

壮瞥町地域おこし協力隊 農業研修 岩倉さんの写真 出荷直前のお米と岩倉さん。

百の仕事が出来るのが百姓と言われますが、まさに岩倉さんは、そんなお百姓さんのお一人でした。

日々お米を食べれることが、ついつい当たり前になってしまいがちですが、生産現場に足を踏み入れ、田んぼで一緒に汗を流すことで分かることが沢山ありました!土、水、太陽、そして日々努力をしてお米を作ってくれる農家さんへ感謝をしなければならないなーと感じました。感謝をしながら今日も沢山美味しいご飯を頂きます!

幼い時に親に言われた一言。『米粒1つ残さず食べなさい。』という言葉が心に響いたのでありました。

今回はお忙しい中、沢山のことを教えて頂きありがとうございました!

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