そうべつ手帖

壮瞥町というローカルな町に2年住んでみて・・・の長所と短所。

壮瞥町地域おこし協力隊の"ながとも"です。

いやはや・・・移住してあっという間に2年経ってしまいました。
そんな2年を振り返りつつ・・・田舎暮らしの長所と短所について考えてみました。

私は縁もゆかりも無い、この景色が好きで、環境ファーストで移住先を決めてしまったわけですが、いよいよ移住するぞ!!
ってときに、やっぱり色々不安はありました。急に恐怖が襲ってきたんです。生きていけるかな私・・・という不安です。

田舎くらしの不安要素あるある??はじめての場所で人間関係大丈夫??

田舎暮らしで良くある「ローカルルール」とか「都会の人と田舎の人がなかなか馴染めない」とか聞きますよね?町のイベントや集まりに声をかけてもらえないとか・・・孤立した地域のコミュニティとか・・・

壮瞥町を見渡すと、壮瞥町出身だけど、本州で暮らしていたこともあってまた戻ってきた方や、
移住者の方、壮瞥を出て色んな所に住んでいた方、と・・・色んな経験を積んでいる方が多いように感じます。

町の方は、移住者に対し、「よく来てくれたね!」という歓迎ムードで迎えてくれています。
1人でも人口が増えることや、1人でも多くの命が誕生することに対し、町民の方はとても良く思っている、そんな印象を受けました。

でも大事なことは、移住者側から交流できるような場所へ顔を出し、自分から顔を広げていく主体性が必要なのかなということです。

向こうから来てくれるのを待つという姿勢ではなく、やはり自分がこの町を選んできたという意識は大事なのではないかと思いました。
そして「壮瞥町いい町ですね!大好きです」と言葉や態度で示すと、皆さんとても喜んでくれます。

この町で生まれ育ち、この自然も、食べ物も、人も「あたりまえ」と思って暮らしている人にとって、「何がこの町の魅力なのか?」都会には無い素晴らしさを比較しながら表現すると、町民の方の郷土愛も上がってくれます。

私はいつもそのような姿勢でこの町の方と接しています。でも、本当のことですから。私は壮瞥町が大好きです。

↓昨年のロケでも壮瞥町民の方に出演を交渉するのに、私の壮瞥町愛を語り説得したという裏話もあります。「一緒に壮瞥町のPRしましょう!!」と当初はなかなかOKも出なくて苦戦しましたが、私も壮瞥町民です!と、きちんと向き合って話をすれば、わかっていただけるのですね。

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田舎暮らしは不便なのか?

正直いうと・・・車が乗れない人にとっては「不便」と感じるかもしれません。

でも、車があると「不便」さは感じません。

これは人によって価値観が違うので何とも言えませんが、
まずは、以下箇条書きにしたのをご覧ください。

【これって便利?】

・駅チカ徒歩3分のところに住み、電車もバスもあります。電車の路線はJRも市営地下鉄も通っています。

・隣の駅には新幹線の駅があります。空港まで電車で1時間圏内です。

・コンビニは家の周りに、セブンイレブン、ローソン、ファミマ、色々あり、選びたい放題です。マンションの真下がコンビニです。マックスバリュー深夜24時までやっています。スーパーは徒歩10分圏内に2件あります。

・自転車で10分の所に大型ショッピングモールがあります。そこには映画館もあります。

・飲食店、飲み屋数え切れないほどあります。

・病院まで徒歩5分。総合病院は隣の駅にあります。

【これって不便?】

・電車の駅はバスで30分かかる隣の町にあります。バスは一日10本あるかないかです。(写真は我が家の近くのバス停の時刻表。冬は行きはあるけど帰りのバスがなかったという、ひやっとした思いをしたことがあります(笑)

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・家の周りにコンビニが1件あります。22:00で閉店、朝6:30からです。

・大型スーパーは車で20分、道の駅は徒歩圏内にあります(17:00閉店)

・居酒屋は町に1件あります。

・レストラン、カフェあります(ほとんど冬はやりません)

・病院は町に2件、総合病院は隣町にあります。

・町にはキャンプ場があります。500円/1泊1テント。 

・リゾートホテルあります。町営温泉も4ヵ所あります。

・湖あります。

・川があります。

・火山があります。

・スキー場があります。

...と、とっても簡単にですが並べてみました。実は【これって便利?】に上げた項目は以前私が東京で暮らしていた時の話です。

まだ子どもがいないときの話ですので、子育て世代の話題が入ってくると、学校や病院(小児科・産婦人科)、子どもを遊ばせられる場所は?などと話題も増えてくるかと思いますが、これだけ便利そうな場所に住んでいるにも関わらず、私は東京の大都会の中で、自然に触れられる場所を失い、少しでも自然が入ってくる場所へと、横浜に引っ越すことになりました。

横浜の暮らしは東京に住んでいるときと比べると、家と家のスペースも広く感じたし、近くに川もあり、河川敷でお散歩もすることが出来ました。

でも、川遊びが出来るような綺麗な川ではありませんし、その近くでバーベキューなんてのも、もちろん出来ません。(やっている人もいましたが)

そういう気分にさせてもらえるような場所では無いということです。
北海道では、夏は庭先でバーベキュー、何かの打ち上げも外でバーベキューが当たり前のスタイルですが、都会でそんなことは出来ないですね(近所からの苦情、場合によっては警察が来る)

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北海道の自然は特別

私は、多くの道民の方にこれを伝えたいと思っています。

北海道に住む人々で、この特別な自然を保全していくことが未来の日本を守ることになると思います。

私が移住者ということで良く聞かれる質問の中に
「壮瞥町の何が良かったの?」「どうして壮瞥町を選んだの?」と。

沢山あるの中で、私は「洞爺湖」です。と、いつも答えます。

湖のちょうど真ん中に浮かぶ島、中島の奇跡の誕生と、洞爺湖の透明度。
こんな美しい湖、見たことありませんでした。
見た目の景観と、湖の中身まで全てが美しい。

その後、北海道を旅をし、北海道の湖はどこも美しいというのは住んでいるうちに分かってきたことでしたが、はじめて訪れたときに、
「この湖飲めるんではないか?」と思うほどの透明度と、「今すぐ泳ぎたい!!」と、飛び込みたくなるほどの美しさ。

これは私が日本で2番目に汚いといわれている湖の近くで生まれ育ったからかもしれませんが(笑

湖って泳げるものだと思っていませんでしたから・・・・ここに来るまでのイメージは湖って沼??みたいなイメージです。
そのような美しい湖の近くに住みたいと、心から思いが湧き上がったのです。

さらに、子どもがこの美しさの中で育つことが出来たらどんなに素晴らしいだろうと思いました。

私の心を突き動かしたのは、風光明媚なこの北海道の大自然です。

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そこに生きる人々「壮瞥町の人は?」

やっぱり考えることは同じなのか?私と同じような理由で移住して方はたくさんいました。
そういう方と繋がると、思いは同じなのですぐに意気投合します。

一緒に山を上ったり、一緒に舟に乗ったり、一緒にキャンプをしたり、時々旅行に行ったり。
わずか2年でも、交友関係は沢山広がります。(年齢的に上な方が多いですが)

その一方で、芸術を大切にしている方も多いし、子どもに関わるボランティア活動では、元教師の方、手芸が得意な方、本を読むのが上手な方、料理が上手な方、と自分に小さな子どもがいなくても、町の子どもは「宝」だ!と、子どもの支援活動に関わる方も沢山います。

そういう方と繋がると、子育てに対する不安はとても軽くなります。(写真は地域の人が集まる図書ボランティア主催のイベントで色んな話題が飛び交い楽しい時間を過ごしているところ)

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私は親戚もいないし、親も近くにいないので、子育てに関して困ったことがあったときにとても孤独になるのではないか?と思っていましたが、
今では顔も覚えていただいて、一緒に子育てをしているという意識が生まれました。

横浜に住んでいるときは、隣の家の方とほとんど会ったことも、言葉を交わしたことも無かったのに・・・・今思うと怖いことですね。

さて、最後になりますが

壮瞥町に住んでみての長所と短所

長所についてはここまでの文章で伝わったかと思いますが、まとめると。

長所

 ・車があればほとんど困らない。渋滞も信号もないので運転に関してストレスが無い。

 ・今はネットで買い物が出来るのでこの2年、買い物で不便と感じたことが無い。契約すれば組合の配達もしてくれる。

 ・隣の町に日赤病院(総合病院)があるので何かあったときも安心感がある。

 ・バスや電車も一応はあるが、車があるとほとんど出番は無かった。町にはローカルタクシーがあり、登録すると町民は100円(※条件あり)で利用できる。(引っ越したばかりで車が無いときはこのタクシーを良く利用していた。温泉に行くときや買い物など)

 ・娘のシュタイナー幼稚園が車で10分圏内にあり素晴らしい環境で教育を受けられている。

 ・年中色んな源泉の温泉が楽しめる。(壮瞥町まわりには色々な源泉の温泉がある)

 ・道の駅が近いので、町の旬のくだものや野菜、卵が格安で手に入る。しかも美味しい。

 ・春は山菜三昧と花見(壮瞥町の観光名所梅公園が素晴らしい)

 ・夏はアウトドア三昧(目の前がキャンプ場)、北海道各地を旅行できる。道東もすばらしい!!

 ・秋はきのこ狩りと紅葉

 ・冬はウィンタースポーツと温泉が最高(薪ストーブのある生活は夢でした。念願の薪活は娘も大活躍)

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 ・人との関わりがとても増えた。顔の見える関係が築けた(これは人によるかもしれません。地域のイベントに積極的に顔を出すことによって関係が築けるようになりました。)

 ・火山があるので防災意識が高くなった。サバイバル力が上がった。(雪上キャンプも出来るスキルを身につけるようにもなりました)

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短所

 ・町民の多くの人が壮瞥町の資源に気がついていない、そこにもどかしさがある。

 ・少子高齢化(これは国全体の問題でもありますが・・・)が進んでいる。(だからこそ子どもと、親の団結力も強いが)

 ・子どもが少ないことで、出来るスポーツが限られている。(例えば小学校、中学校に部活が少ない、個人スポーツは強いが団体は弱い)

 ・学校現場がどんどん縮小されている(去年中学校が1校廃校に、今年で小学校も1校休校に)

 ・冬になると町にある多くの飲食店が休業(食の楽しみが激減)

 ・若者が活躍できる場所が少ない(それでも壮瞥町は人口が少ないが観光業が盛んなので色んな町から壮瞥町に働きに来ている)

 ・空き家情報が乏しい、マンションやアパートが無い。住む場所を探しにくい。

 ・食べ物が美味しすぎて太った。(これは食べ物が美味しいという長所の裏返しですね)

 ・実家への帰省は予算がかかる(昔よりは航空券も安くなりましたが)

...ということで、2年経った私の壮瞥町での移住暮らしは、とても満足している。ということになります。

「ここでずっと生活するの?」とよく聞かれますが、未来のことは分かりませんが、今の所はこの壮瞥町で永住したいと思っています。
今後はもっとこの壮瞥町で楽しい生活ができるように、ある「チャレンジ」も考えています。それはまたの機会でご紹介できると思います。
まずは壮瞥町に訪れて欲しいですね!!

壮瞥町の事についてまた移住ブログで更新していきますのでご覧くださいね!

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