そうべつ手帖

北海道の「秋」の訪れを知らせてくれるもの

こんにちは、壮瞥町地域おこし協力隊の水野です。

北海道に移住して初めての秋を体験しています。
が、ん?何か違う?
いつもの秋の訪れを感じる、あれが無い。
そう、それは【秋の香り】です。

季節の訪れを感じる【秋の香り】とは?

以前住んでいたところでは、秋は金木犀(キンモクセイ)、春は沈丁花(ジンチョウゲ)と、
季節の訪れを教えてくれる「香り」がありました。
双方ともに小さな橙黄色の花を咲かせ、町いっぱいに甘い香りを漂わせます。
この香りを感じると、【秋】や【春】を実感できたのです。
ところが、今年はその「香り」がしないのです・・・。

調べてみると、金木犀は寒さに弱く、霜が降るような場所では育たないそうです。
北海道で香りを感じなかったのは、生息が難しいからなのですね。
沈丁花も同じく、越冬は難しいようです。

↓見事に紅葉した桂の大木
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落葉した黄色いハート型のかつらの葉は「夢想家」へと誘う?

だだ、今年は金木犀(キンモクセイ)の香りは感じなくとも、森を散策していて、桂の木の葉っぱから甘い香りを感じました。
桂の木は本州にもありますが、ハート型の可愛い葉っぱを黄色く染めて落葉させ、あたり一面が黄色の絨毯のようになります。
この甘い香りは黄色く紅葉した落葉の葉が乾燥すると香るそうです。
まるでお菓子のカラメルのような、甘い香りがふっと香り、すぐに消え、また香り・・・。

↓ハート型がかわいい、紅葉した桂の葉
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友人は、この甘い香りを、きっと「森のタヌキのお菓子屋さん」がそばにあるのね、と、笑いながら表現していました。
なるほど、そんな感じね・・・と想像してクスクス笑ってしまいました。
この黄色い枯葉にも花言葉があり、「憂鬱」と「夢想家」。
「憂鬱」はともかく、「夢想家」は納得。
一瞬の甘い香りが、人を「夢想家」へと誘い、友人の「森のタヌキのお菓子屋さん」へ繋がっていくのですね。

↓よく見ると「森のタヌキのお菓子屋さん」がどこかにありそうな・・・桂の木の立派な根元。
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かわいい赤い実が生る【ナナカマド】、名前の由来は?

そして、もう一つ。移住前はあまり見かけなかった【ナナカマド】に癒されています。

とてもかわいらしい小さな赤い実をつける木で、北海道に来てから、街路樹として見かける機会が多く、多くの市町村がシンボルの木として指定しているそうです。

↓紅葉すると葉が緑~黄色、そして赤へ。かわいい小さな赤い実がたくさん実ります。
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かわいい実とは裏腹に、名前の由来は、7回カマドに入れても燃え尽きないほど硬くて丈夫な木からきているそうで、花言葉は「慎重」、「賢明」、「私はあなたを見守る」等。
葉っぱ全てが落葉した後も、かわいい赤い実が、細々とした茶色い枝を飾っています。

↓枯れ木に花が咲いたよう
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赤い実はとても苦いそうですが、冬の寒さで糖度が上がり苦味が減少し、ツグミが好んで食べるそうです。

ナナカマドは街路樹としてすっと立ち、花言葉のとおり、「あなたを見守りますよ」と、ツグミも人も見守ってくれているような感じがします。

これから、北海道の秋の風物詩として、金木犀に代わり、「桂の葉の香り」と「ナナカマド」が秋の到来を知らせてくれ、「森のタヌキのお菓子屋さん」の甘い香りとの出会いを楽しみにしたいと思います。

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