そうべつ手帖

高所での枝の剪定作業

こんにちは。
壮瞥町地域おこし協力隊の今井です。

梅の花が最盛期を迎える横で、赤松の剪定に取り組む笠井一朗さん、深谷卓生さん、岡山昴一郎さん。
今回、笠井さんにお声掛けいただき、その剪定の様子をご厚意で見せていただいたので、こちらでご紹介したいと思います。
笠井さんが運営する「壮瞥よろず屋」の活動詳細はこちら


今回の作業内容

お三方とも自伐型林業(後述)に取り組まれていて、日ごろから木の状態をしっかりと確認しながら、それぞれの木にあった適切な対応を実施されています。

このノウハウを存分に生かして実施された今回の作業は、赤松の枯れた枝や、元気がなく将来的に枯れてしまうと予見される枝を剪定する作業で、しかも地上から5メートルを超える高所での作業でした。

対象の赤松は壮瞥公園の上からの景色で、湖を縁取っている大きな木です。

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剪定の方法

高所作業車を入れて対応するのが一般的ですが、現場は車1台通るのがやっとの幅。高所作業車を入れてしまうと通行ができなくなってしまいます。
そこでロープをつけて木に登り、木の上で作業をすることで、車の通行規制を最小限に剪定の作業を実施することができます。
「特殊伐採」とも言われるこの手法は、特別な教育を受け、危険な木の上であっても低リスクで作業ができる特別な知識と技術が必要となります。


剪定方針の決め方

あっという間に木の上にたどり着いた岡山さんは、枝の状況を見極めて剪定する枝を決定します。

木に対して最良の対処ができるように、木の上から見た対処案について、木の下で見守っている二人に相談をしながら最善の対応を決めて着実に作業をされている姿が印象的でした。

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剪定作業

対処が決まったら、実際の剪定作業に入っていくわけですが、細い枝は充電式チェーンソー、太い枝はエンジン式チェーンソー、手が届かないところは高枝切りのこぎりでそれぞれ落としていきます。

今回は切った枝を下に落としていましたが、作業の環境によっては剪定する枝にもロープをつないで、落下しないように対応するケースもあると言います。

充電式チェーンソーは腰に装着して上がっていきましたが、エンジン式チェーンソーと高枝切りのこぎりは、下からロープを駆使して木の上にあげていきます。

不安定な木の上での作業ですが、ロープを駆使して体勢を安定させ剪定していきます。

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剪定の際は一時的に車の通行を止めて作業をします。
止まっていただいたドライバーの方も、遥か木の上で木を切っている作業を興味深そうに見守っていました。

実際に枝が下に落ちると、迫力ある音がしてその重量に驚かされました。
その枝をすぐに道路外に運び出して、通行の規制を解除します。

そのまま瞬く間に、枝打ちをされて、利用しやすい大きさにカットされていきます。
見事な連係プレイでした。


自伐型林業とは

最後に「自伐型林業」について、簡単にご紹介したいと思います。

いわゆる従来型の林業は「大規模に皆伐(特定の区画の樹木をすべて伐採すること)して、また50年かけて木を育てる」ということを繰り返します。
一方で、私自身もこちらに移住してから知った言葉なのですが、この自伐型林業は「採算性と環境保持を両立できる持続的な森林経営ができる」と言われている林業のスタイルです。
皆伐せずに残したい木を決めて支障となる木の間伐を行うことで山へのダメージが最小限に抑えられ、山の価値を保つことができます。

壮瞥町の一部は支笏洞爺国立公園にも指定されていることもあり、山に優しい自伐型林業とは親和性が非常に高いと思っています。

サステイナブルな林業である自伐型林業、これから一層広がっていくことを期待したいです!!

↓撮影した集合写真。笠井さんのご厚意で提供いただきました。(左から笠井さん、岡山さん、深谷さん、今井)
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