今日の壮瞥

火山と共生する町そうべつ

みなさんこんにちは。
地域おこし協力隊の中岡です。

壮瞥町には、
・アウトドアスポーツを体験できる場所
・美しい自然の恵に魅了される場所
・ほっとする田舎暮らし
・おいしい大地の恵
など感激する魅力がたくさんあります。

しかし、同時に20~30年周期で噴火する「有珠山」という火山の麓に位置するまちでもあります。

今回は移住ブログとして、旅行に来ただけでは分からない、
私が壮瞥町に来て最も感動した『この地域の方の生活スタイル』についてお話したいと思います。



火山と共生する者として生きる心構え

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『ただ噴火を恐れたりするのではなく火山へ「感謝と尊敬」の念を抱いて生活する』

壮瞥町は、その全域が洞爺湖有珠山ジオパーク内に位置しています。

過去には有珠山の噴火によって何もない麦畑から突然新しい山(昭和新山)が誕生するなど、
火山は、人々の暮らしに大きな影響を与えてきました。(詳しくはこちら)

町民はそんな過去から学び、もしもの時の備えをしっかり行い、
火山と共生する生活スタイルが自然と身についています。

「備えて正しく恐れる体制」作り

直近の2000年噴火では人的な被害は全くなく、世界に「噴火の予知と事前避難の成功例」として名を広めました。

この背景には、地域に密着した火山学者とともに「子ども郷土史講座(壮瞥町教育委員会主催)」や、「昭和新山・有珠山登山会(NPO法人有珠山周辺地域ジオパーク友の会などが主催)」といった、町民が活火山に出かけ、自然の恵みと災害について勉強する事業が続けられていたことがあるそうです。

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このような事業を行うことで、壮瞥町の子どもたちは幼いころから自然と火山の知識を身につけています。
これは当たり前の様で決して当たり前ではない、本当に素晴らしいことだと思います。

私も令和2年9月には昭和新山に、そして令和2年10月には有珠山に火山勉強会の一環として登る機会がありました。
その時に一緒に参加した子どもたちが、すでに持っている幅広い知識に感動しました。

こうやって子どもの頃から防災に関する英才教育を受けているのだなということが分かりました。
そのほかにも、学校の防災訓練や小中学生等を対象とした防災キャンプ事業なども実施されており、次期噴火を見据えた備えが定期的に続けられているのです。

火山が「生活や産業の支え」に

壮瞥町の皆さんにとっては「火山と生きる町」に住む者として生活することが当たり前で、定期的に勉強会を開催して安全性を確保しながらその恵みを享受しています。

【生活基盤・農業】
洞爺湖が11万年ほど前に大爆発を起こして降り積もった火砕流によって
〇洞爺湖周辺では平坦な地形ができました
〇その平坦な地形は、日当たり良好な耕作地帯や果樹園として利用されたりしています

【漁業】
有珠山が山体崩壊を起こしてできた流山地形によって
〇地下を流れた水が有珠湾で汽水域を作って小魚が集まります

【観光業】
そして1910年の噴火が原因となり誕生した洞爺湖温泉は、北海道有数の温泉観光地となりました。

これらは全て、『火山の恵み』です。

私も実際に地域の方のお話を聞くうちに、皆さんがそれを良く理解されていて、
「備えて正しく恐れる生活」と共に、火山を仲間のように思っている人が多くいることが分かりました。

その点に、私はとても感動しました。

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どうして人々は頻繁に噴火が起きている山の近くに住むのか

20数年に一度は噴火すると言われている有珠山ですが、
地域に住んでいる人たちは、この現実をどう受け止めているのだろう・・・と
私は壮瞥町に来た頃、ひそかに疑問に思っていました。

だって、火山がひとたび噴火すれば、大きな被害をもたらし、命の危険にもさらされるのだから。
建物も新しくしないといけないし、車だってだめになるし、避難だって大変。
それが20数年に一度起こるなんて本当に恐ろしい!!と思いました。

そんな私は町民の皆さんにとって、火山とは平和な生活を奪い去る怖くて憎しみ深い存在なのだと思っていました。
昭和新山や有珠山なんて見るのももううんざりなのでは?と。

でも、地域で暮らしていく中で、それは違うことが分かりました。

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私も火山と共生する町民の1人として、これから様々な知識を深めて多くの方に伝えていきたいと思いました。
もちろん、もしもの時の災害にも備えて、協力しあって安全を確保できるように勉強会にも参加したいと思います。

みなさん、これからもどうぞよろしくお願いします。

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