そうべつ手帖

【芸術鑑賞ツアー】フェルメールのキューピッドに会いに

こんにちは!北海道壮瞥(そうべつ)町地域おこし協力隊"おしみ"こと、清水です。

2022年6月19日(日)、壮瞥町教育委員会主催の『芸術鑑賞ツアー』にはじめて参加してきました。

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『芸術鑑賞ツアー』とは?

町外で開催の展覧会を鑑賞することにより、多くの町民に生の芸術や高いレベルの芸術文化に触れてもらう機会を増やし、文化の意識高揚を図ることを意図する、壮瞥町教育委員会が主催する町民参加型のイベントです。

今回会場となった札幌「北海道立近代美術館」の他に、近場では洞爺湖町の「洞爺湖芸術館」なども訪れています。壮瞥町はフィンランド・ケミヤルヴィ市と友好都市ということもあり、過去には「札幌芸術の森美術館」で行われた『ムーミン展』ツアーも開催され、人気過ぎてキャンセル待ちも出たほどでした!

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『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』を鑑賞

今回の見どころでもあるフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」は、1979年のⅩ線調査で壁面にキューピッドの描かれた画中画が塗り潰されていることが判明し、長年、その絵はフェルメール自身が消したと考えられてきました。しかし、2017年の調査により、フェルメール以外の人物により消されたことが新たに分かり、翌年から画中画の上塗り層を取り除く修復が行なわれていました。

「窓辺で手紙を読む女」は"フェルメールが描いた当初の姿"での来日となり、北海道にやってくるのははじめて。しかも、修復後の姿を公開するのは、所蔵館以外では世界初!

会場では、2017年に開始された修復プロジェクトの過程をパネルや映像で紹介。顕微鏡を使いながら細いメスの先で、丁寧に上塗りされた層を取り除く作業の映像を見ることが出来たのですが「こんな繊細で気が遠くなるような作業を何年も続けてキューピッドが現れたのか...!」と衝撃を受けました。

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キューピッドが現れた「窓辺で手紙を読む女」

修復前と修復後の絵画を見比べると、全く印象が異なります。キューピッドが現れたことで一気に華やかになるのはもちろん、女性が読んでいる手紙の内容も違うように見えてきます。修復前のものはかなしい内容の手紙と想像しますが、キューピッドが現れたことでラブレターのように感じられました。実際に目の前で見比べられるからこそ感じられる面白さでした。(※修復前のものは複製が飾られていました。)

誰が何のために塗りつぶしたかは分かっていません。その理由を想像したり、本来の姿を見てまた新しい感動に出会ったり。久しぶりに美術館へ行ってとてもワクワクしました。そして改めて、(日本だと江戸時代に描かれた絵画を)今、目の前で見られるというのもすごい体験だと感じました。フェルメールの死後、約340年後にですよ?私たちの300年後もこんな風に色んな事が繋がっているんでしょうね。想像してまたワクワクします!

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自由時間(お昼)はしっかり(ちゃっかり?)熊活!

『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』を楽しんだ後は、わずかな自由時間。各々が好きな場所でお昼ご飯を食べたり、お土産を買ったりしました。私は熊友(※熊関係のお友達)さんに教えてもらったお店でランチをして、店主のおばあさまが彫ったという、大きな熊マスクを見てきました。迫力のある大きさと艶、繊細な毛彫りで圧倒されましたが、角度を変えて下から見ると優しい顔をしていました。許可を貰って記念撮影!

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中山峠で休憩。猿回しに遭遇!

帰りのバスで中山峠でトイレ休憩。たまたま猿回しをやっていました。『芸術鑑賞ツアー』ではこんな偶然のお楽しみがあるかもしれません!(東京に住んでいた頃は、浅草寺でよく見ていたのでちょっと懐かしい気持ちになりました。)

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中山峠と言えば「あげいも」

自分用のお土産に「あげいも」を購入。中山峠は何度も通っているのに「あげいも」を買うのは実は初めて!外側の甘い衣とホクホクのじゃがいも。間違いない美味しさ!人気なのも分かります。

『芸術鑑賞ツアー』はこういった、ちょっとした遠足気分を味わえるのも良いところ。バスで行くから尚更そう感じるのかもしれません。(バスの中では懐かしいカンロ飴をもらって「大人の遠足」を満喫!笑)

私自身、美術館などすごく興味のある展示にしか参加しないのですが、今回『芸術鑑賞ツアー』というイベントを通して気軽に芸術に触れられる機会が壮瞥町にあることのありがたさと楽しさを感じました。「もっと早くから参加していればよかった!」と、ちょっと後悔も笑。そしてこういった取組をずっと継続している壮瞥町の面白い一面を感じることができました。

年齢や性別問わずに参加できる『芸術鑑賞ツアー』。
町民の皆さんは是非「広報」などでチェックして参加してみてくださいね!

【問い合わせ先】
壮瞥町教育委員会
0142‐66‐2131

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