エゾシカの有効活用
こんにちは、壮瞥町地域おこし協力隊の籠嶋です。
最近行っているエゾシカを使った取り組みについてご紹介します。
エゾシカの状況
近年、北海道では、エゾシカが畑の作物や植林の木の芽や樹皮を食べてしまう農林業の被害が拡大しています。
エゾシカが急増した理由として、エゾシカを捕食するオオカミが絶滅したこと、ハンターの数が減っていることなどがあるそうです。
対策として、有害駆除が実施されていますが、駆除されたエゾシカの活用については、鹿肉以外の有効な方法が見つかっていないのが現状です。
エゾシカの活用
先日、町内の農家さんからエゾシカの角をいただく機会があり、角の形状を活かして「笛」と「バードコール」を作ることにしました。
いただいたエゾシカの角
エゾシカの角の笛
簡単に音が出せる笛を作るため、リコーダーの仕組みを参考にしました。
まずは適当な長さに角を切ります。角はかなり固く、ノコギリなどでは切ることができないため、ミニルーターという工具を使用しました。
ミニルーターでカットしました
ドリルで穴を開け、リコーダーと同じ「エアリード」と呼ばれる形状に加工します。
これによってリコーダーのように、吹くだけ簡単に音が出る笛となります。
首から下げられるように革紐を付けました
「ピーッ」という高い音が鳴ります。音を楽しんだり、山に入る際の熊よけ、犬笛などに利用できます。
エゾシカの角のバードコール
バードコールとは、鳥の鳴き声に似た音を出す道具で、鳥笛とも呼ばれています。
小鳥の鳴き声のような音に本物の鳥たちが反応し、野鳥との会話が楽しめます。
適当な長さに切り、ドリルで穴を空け、ボルトネジを差し込みます。
ボルトネジを回すと音が出ます
シンプルな構造ですが、「キュキュ」、「ピッピッ」という小鳥の鳴き声のような音がでます。
*鳥たちが反応するので、鳥が神経質になっている繁殖期は巣の近くで利用しないなど注意が必要です。
今後も様々な形で自然にあるものを有効活用する方法を考えていきたいと思います。