シードルの原料となる、壮瞥町産りんご
こんにちは!壮瞥(そうべつ)町地域おこし協力隊の前橋です。
壮瞥町で毎年発売されている「シードル・デ・ソウベツ」と「スパークリングアップルジュース」はご存知ですか?100%壮瞥産のりんごを使って作られた飲み物で、毎年3月頃に発売されます。
シードルは「Dry」と「Sweet」があり、Dryはきりっとしていてお肉などに合わせてもすっきり楽しめそう。Sweetはほのかな柔らかい甘みが、食後のチーズやデザートに合いそうな味です。
お土産や贈答品にもぴったりで、私自身もホームパーティの手土産などに持っていくことが多いです。特に、スパークリングアップルジュースはすっきりとした甘みで、お酒が飲めない場面での乾杯にとても重宝します。
そんなシードルやスパークリングアップルジュースの原料を作っているのは、もちろん壮瞥町内のりんご農家さんたち。今回は、その原料の「りんご」にまつわるお話をフジモリ果樹園の藤盛さんに伺ってきました。
毎年違う味わいが楽しめる
令和3年収穫分のシードルとスパークリングアップルジュースには、なんと10種類のりんごが使われています。初めて「おいらせ」を使ったことで、とても豊かな味わいになっているのだとか。ちなみに、シードルとスパークリングアップルジュースの原料には同じりんごが使われています。
その年の気候や樹木の状態によって、毎年、りんごの収穫できる量や種類は異なります。それぞれの林檎の味わいをざっくりと「フジ系」「王林系」「酸味系」と分けて、その年の収量などによって配分を決めているそうです。そのため、毎年味わいが異なるのもこの商品の特徴。すぐに飲み切らず、とっておいて翌年のものと飲み比べたりしてもおもしろいですよ。
壮瞥町は、どちらかというと「酸味系」の林檎が多いそうです。
私自身、令和3年の8月に引っ越してきた時、早生品種や酸味が強く感じられるりんごの種類が多いことに驚いたので、とても納得。お菓子作りに使えるりんごが多く、楽しかったことを思い出しました。
そもそも、なんでシードルを作ろうと思ったの?
現在シードルを販売している「そうべつシードル造り実行委員会」の前身だった研究会が各地に視察に行く中で、お酒の特産品を作りたいと考えたことがきっかけだそう。当時、壮瞥町に一次産品はたくさんありましたが、それを使った特産品は少なかったことも手伝って、りんごでお酒をつくろう、ということになったのだとか。
当時国内では、地元の果物を使った果実酒のブームが始まっていたころ。また、「ノンアル」飲料が飲み物の選択肢にあることが当たり前になってきていた時期でもあります。その中で、おいしいシードルを醸造できて、かつノンアルコールのスパークリングアップルジュースも製造してくれる青森県弘前市のタムラファームに醸造を依頼することになったそうです。
りんご農家としての思い
壮瞥町に初めてりんごが植えられたのは開墾間もない明治9年ごろだそうで、長い歴史を持っています。しかも、壮瞥町のカントリーサイン(※市町村の名所、特産品等のイラストと市町村名が描かれた看板。市町村の境界に設置されています)にもりんごが描かれているほど、壮瞥にとって代表的な農産物。
そんなりんごを使ってシードルやスパークリングアップルジュースを作ることを決めた背景には、「くだものに関わる人を増やしたい」という思いがありました。今までになかった加工品の原料として使われることで、裾野をひろげ、壮瞥の人たちにとって今でも身近なりんごがもっともっと定着していくような未来像が描かれているようです。
シードルやスパークリングアップルジュースは、直売所サムズをはじめ、近隣地域各所で購入することができます。たくさんの人の思いが詰まっている壮瞥町の特産品、是非一度飲んでみてください。
これからがくだもの狩りのハイシーズン!
お話を伺ったのは、6月の半ば頃。摘果を待つ小さなかわいいりんごが木についている頃でした。同時にさくらんぼも実がつき、色づき始めている時。
いちごのシーズンが終わり、さくらんぼ、プラム、ももと、これからどんどん採れるくだものの種類が増え、くだもの狩りが楽しめる季節になります。壮瞥町に住み始めたのが昨年の8月だったため、まださくらんぼ狩りは未体験。今年は私も、さくらんぼ狩りをしてみようと思います。
くだもの狩りについて、詳しくはそうべつくだもの村のwebサイト、または観光協会のwebサイトをご覧ください。
そうべつくだもの村
http://www.kudamonomura.com/index.html
壮瞥町観光協会(くだもの狩りのページ)
https://sobetsu-kanko.com/activity/fruitpick