そうべつ手帖

昭和新山に登り、火山を学ぶ

こんにちは!壮瞥町地域おこし協力隊の前橋です。

9月末、ジオパーク友の会による昭和新山周回コースの整備が実施されました。

当日は2班に分かれ、片方はベテランの方々が「整備班」として主にコースの整備を、もう片方は「学習班」として、主に火山マイスター認定審査に向けた勉強会を実施しました。私は初めての昭和新山登山であり、火山マイスターの受験も視野にいれているため、学習班として参加しました。

学習班は三松正夫像からスタート

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過去の移住ブログにも登場している三松正夫像。昭和新山といえばここからの眺めですね。昭和新山を誕生からずっと見守り続け、私財を投げ打って麦畑だったこの土地を買ったというエピソードは、何度聞いてもこの山と地域住民への愛が感じられ、感動してしまいます。

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火山学者をもうならせた昭和新山の記録、「ミマツダイヤグラム」は像の近くにある看板にも掲載されています。

道を見失いそうになる登山道

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昭和新山は、普段は一般に立ち入ることのできない山ということもあり、草木をかきわけながら進まねばならない道が多いです。うるしが生えている場所があったり足下が滑りやすかったりと、山の標高自体は398mとさほど高くない山ですが、登るのはそれなりに大変。もし登る機会があれば、滑りづらい靴、長袖長ズボン、軍手などの装備をおすすめします。それからひっつき虫がたくさんつくので、服はなるべくつるっとした素材のものがいいかもしれません。

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上に行けば行くほど足元が崩れやすく、急勾配に。それでもどんどん頂上を目指して登っていくと、唯一無二の眺めに出会うことができます。

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この日はとても天気がよく、羊蹄山やニセコ連峰がはっきりと見えました。見る方向を変えると壮瞥町内やオロフレ峠なども見渡せて、圧巻の景色!いつもの町を上から見下ろしてみると、新たな発見があっておもしろいですよね。

そうべつぐらしで身近になった活火山

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4合目付近で地中の温度を測ると71.6度。昭和20年頃に成長をとめたと言われている昭和新山ですが、当時の標高は407mと今よりも9m高かったそうです。成長を止めてからは地中の温度が下がり、少しだけ小さくなり、植生も徐々に復活してきていますが、まだまだ熱いところもたくさん。壮瞥町内から昭和新山を眺めると、噴気が上がっているのを確認できることもありますよね。

昭和新山登山における定番ランチスポットらしい亀岩付近では同じ温度計で約100度を計測し、なんとなく歩いている足元からも熱さを感じました。立ち上る噴気や、この地中の温度。「活火山に登っている」ことを実感した瞬間でした。

冒頭でも少し触れた「火山マイスター」という制度。現在も20〜30年に1度の噴火を繰り返している有珠山の次の噴火に備え、正しい知識を学び、それをその周辺に暮らす人々に正しく伝えることで、災害を減らすための認定制度です。

壮瞥町に住むことを検討し始めた時から、活火山がある地域で暮らすことに対する不安はありましたし、正直言って今もゼロではありません。しかし、この日ガイドを務めてくださった火山マイスターの三松さんのお話や、今まで得た有珠山に関する知識により、徐々に「正しく備える」ことに意識が向いてきています。以前は知識が皆無だったため、「知らない」ということからくる漠然とした不安が大きかったのだと思います。

今回昭和新山に登ったことで、より一層正しい知識を手に入れ、それを正しく伝えたいという考えが強くなりました。この移住ブログでも、徐々に学んだことをお伝えしてければと思っています。

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