そうべつ手帖

【北海道】洞爺湖有珠火山マイスター認定審査

こんにちは、壮瞥(そうべつ)町地域おこし協力隊の前橋です。

突然ですが、洞爺湖有珠火山マイスターってご存知ですか?

洞爺湖有珠火山マイスターとは、洞爺湖や有珠火山地域の自然や特性についてしっかりと学び、正しい知識や噴火の記憶・経験、災害を軽減する知恵などを次世代や地域内外の方々に向けて、自らの言葉で語り継いでいく「学びと伝えの実践者」です(洞爺湖有珠火山マイスターwebサイトより引用)。

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壮瞥町を含む洞爺湖や有珠山の周辺エリアは、こんなに火山の近くに人が住んでいるのが世界的にも珍しいと言われています。そしてさらに、山頂だけではなく山麓(山のふもと)にも火口が開くという性質を持っているため、どこで噴火してもおかしくない地域です。実際に2000年の噴火では、生活圏内から数百メートルのところに火口が開きました。有珠山は20〜30年に一度噴火すると言われているため、次の噴火に備えて記録や記憶、知恵を伝承し、減災や防災につなげることが必要です。

その伝承者として、正確な知識をもつ人が地域限定の称号である「洞爺湖有珠火山マイスター」として認定され、地域防災のリーダーとして活躍することが求められています。

そんな洞爺湖有珠火山マイスターの認定審査が、2022年10月16日に実施されました。今年の審査受験者は8名で、聞くところによると人数が多い年だったようです。壮瞥町からは、私と中岡隊員の2名が受験しました。

認定審査では、レポート審査、フィールド審査、面接審査が行われます。フィールド審査は、審査員や見学者に向けて実際に災害遺構などでガイドを行います。今年は事前に4ヶ所のフィールド地点が伝えられていましたが、実際に自分が受け持つ場所は当日の朝、あみだくじで決まります。私はくじ運がよかったのか、なんとトップバッター。旧とうや湖幼稚園にてフィールド審査となりました。

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事前の練習では、時間配分がうまくいかず大失敗をしていた旧とうや湖幼稚園。そのことが一瞬頭をよぎりましたが、逆に一回失敗しているからこそ、落ち着いてガイドできたような気がします。そのフィールドで伝えたかった「生活圏内に火口が開く可能性がある」ことや、「逃げることの大切さ」、また「遺構を残すことで次世代に記憶を伝えられる」ことにポイントを置いてお伝えしました。自分が壮瞥町に来た理由や今ここでなにをしているかなども織り交ぜてガイドをしてみましたが、見学されている方がうなずきながら真剣に聞いてくださっていて、非常に心の支えになりました。

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無事、全員フィールド審査と面接を終え、結果はなんと全員合格。全員同時に合格を伝えられたのですが、このケースは稀なようでした。この8人は事前の勉強会や練習会でも連絡をとったり誘い合ったりして、一緒に勉強をしてきた仲間でもあります。住んでいる場所も、職業も、趣味もバラバラの8人だからこそ、連携を取り合うことの大切さを実感し、実践できたのかもしれません。

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洞爺湖有珠火山マイスターの合格は、ゴールではなく、むしろここからがスタート。壮瞥町に引っ越してきてまだ1年と数ヶ月。知識として足りない部分がたくさんありますし、ガイドの技術もありません。自分の伝えたいこと、やりたいことを主軸としながら、防災・減災についてきちんと伝えていけるように、これからも研鑽を続けたいと思います。

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