オンラインジオツアーのガイドを務めました
こんにちは!壮瞥(そうべつ)町地域おこし協力隊の前橋です。
2023年9月10日、世界仮想旅行社と日本ジオツーリズム協会が共催するオンラインジオツアーシリーズの第23回目、昭和新山と壮瞥町を舞台としたオンラインツアーのガイドを務めました。
きっかけは偶然の出会い
オンラインジオツアーシリーズは2021年6月にスタートし、2022年7月までに第一期として全部で12回開催されました。九州から北海道まで、全国のジオガイドがそれぞれの地域で個性あふれるジオツアーをオンラインで行いました。私も、2022年4月と5月それぞれに開催された「洞爺湖」「有珠」をめぐるツアーに参加していて、オンラインならではの映像や音で楽しませてもらった参加者の1人でした。
そんなオンラインジオツアーの主催の方の内1人が、2022年6月末に洞爺湖有珠山ジオパーク周辺を訪れてくれました。その時たまたまお会いでき、ご挨拶したら、「第二期のツアーガイド募集してるんだけど、やらない?」と声をかけてもらいました。
その時は軽い気持ちで「いいですよ〜」と答えたものの、そもそも自分はツアーガイドなんて務めたこともなく、火山マイスター認定試験もこれから受けるというタイミング。なんで気軽に引き受けてしまったんだろう・・・と後悔することもしばしば。でももう、やるしかない!という気持ちで1年強の準備期間に入りました。
ジオガイドってなんだろう?
そもそもジオガイドの経験がほとんどないので、ジオガイドってなんだろう?と自問自答しながらのツアーづくりになりました。幸いにして、壮瞥町に移り住んでから今までの約2年間、たくさんの先輩方にガイドしてもらいながら、いろんなフィールドを歩き、見てきました。まだ「ジオガイドってなんだろう?」の答えは出ていませんが、自分なりにツアーの目的を2つたてました。それは、
- 自分がなぜ昭和新山を好きで、興味を持っているのかを参加者に知ってもらう
- バーチャルにでも、壮瞥町を好きになってもらう
です。
この目的を果たすためには、昭和新山とは切ってもきれない人である「三松正夫さん」の紹介を1つのストーリーにしようと決め、そこからストーリー作りと素材あつめがスタートしました。おそらく、一般的にはジオツアーといえばその「土地」のことがメインになるのだと思います。しかし、土地=山のことだけでなく、人やその歴史にフォーカスすることで、よりストーリーが面白くなるのではと思い、人を中心にストーリーをつくっていきました。
インタープリテーションとTORE
このオンラインツアーでは、本番の前に「リハリハ」と「リハ」と、本番を想定したオンラインテストが2回あります。その時に、過去にガイドを行った先輩方や主催の方々にフィードバックをいただいて作り上げていくのですが、いろんな観点からもらうこの時のコメントがとても勉強になり、同時にガイドの楽しさも知ることができたような気がしています。
ガイドの際に、わかりやすく面白さを伝える方法の1つとして「インタープリテーション」という技法があります。「インタープリテーション」とは、単なる情報の提供でなく、直接体験や教材などの「見えるもの」を通し、その裏側にある「見えないもの」の本質やメッセージを伝えることとされています(日本ジオツーリズム協会noteより引用)。
そのために必要な「TORE」という4要素があり、それぞれ
T(thematic):テーマがある
O(Organized):構成がわかりやすく整理されている
R(Relevant):見ている人、参加している人と関連がある
E(Enjoyable):楽しめる
という意味です。
この要素をいれたガイド(インタープリテーション)を学び実践することが、このオンラインジオガイドツアーの目的でもあります。
結果として、「人」にずっとフォーカスし続けたことで、このTOREの4要素をうまく取り入れることができたようです。この技法はガイドだけでなく、ブログなどのコンテンツを作る際にも役立つ技法なので、今回勉強・実践することができてとてもいい機会だったと思います。
人に「好き」を伝えることの楽しさ
今回のツアーを通して、人に、自分が好きなことや魅力的だと思っていることを伝える楽しさを、実感しました。地域おこし協力隊最後の年のはじめにこのガイドをやることができたのは、とても良いタイミングでした。あと1年、もっともっとこの地域の魅力を発信していきたいと思います。