そうべつ手帖

避難所運営ゲーム「Doはぐ」体験しました

こんにちは!北海道壮瞥(そうべつ)町地域おこし協力隊の前橋です。

「Doはぐ」とは?

2023年2月2日、伊達市防災センターにて「Doはぐ」の体験をしてきました。
Doはぐとは、「真冬に直下型地震が発生し電気などが使えないという想定に沿って、
250枚のカードで示されたさまざまな条件をグループで話し合って解決していく、
防災教育ゲーム」です(ほっかいどうの防災教育ポータルサイトより引用

元々は静岡県で開発されたゲームですが、北海道の厳しい環境要素などを加え、
北海道が使用許諾を得て作成したものです。
ちなみにDoはぐのDoは、北海道の「どう」とやってみよう!の「Do」をかけているようです。

事前のルール決めや計画が大切

当日は洞爺有珠火山マイスターや有珠山周辺地域ジオパーク友の会のメンバー、
また伊達市の老人クラブの方々など、多岐にわたった参加者が揃いました。

まずは2チームに分かれ、説明を聞きます。

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説明が終わると、実際に避難所の運営計画をたてるところから始めます。
今回避難所として運営する学校の見取り図や体育館の平面図などから、どの部屋をどのように運用するか決めていきます。
この時、「車椅子の人をどの部屋にいれるか」や「体育館の通路はどのようにとるか」など基本的なことは
考えて決めることができましたが、この後どんな人が避難してくるのか、この時点では全くわかりません。
この段階で決めたことがどれくらい活用されるのか、抜けがないかなど心配でしたが、
計画にあてられるのは10分程度。実際の避難所でもそうかもしれませんが、一定の時間が経つと避難者が続々とやってきます。

限られた時間の中で、次々と避難者を配置する難しさ

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こちらが今回避難してくるカードたち。カード1枚につき1人のプロフィールが書かれています。
この大きさは、大体1.5m x 2.0mだそうで、実際に1人あたりに必要な面積だそうです。
従って、カードを重ねて置いたりすることはできません。また、1世帯の人数は場合によって異なるため、
その場その場で一度に配置する人数も変わります。

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これは私のチーム、序盤の写真です。
職員室など、個人情報がありそうな部屋は使わない、体育館の通路はなるべく車椅子の方がすれ違える幅をとるなど、
最初にルールを決めておかないと後から困ることもありました。

カードは避難者だけでなく、「情報提供」や「問題提起」のカードもあります。
例えば、「喫煙所がなくて困っている」という問題提起カード。避難所自体が学校という想定なので、
どうやれば喫煙所を作ってもいいのか、どこに作るのがいいのかなど基本的な知識を必要とする内容でしたが
その場で調べる時間もあまりとれず、決めるのが難しかったです。
この時、例えば前日に読んだ伊達市の避難所運営マニュアルの内容や喫煙所に関する基本的な知識が
頭にはいっていれば、また違ったのかもしれません。

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次々とたくさんの人が避難してきます。中には認知症だったり、身体が不自由だったりする人も。
判断に迷う場面もたくさんありました。しかし私たちのチームには看護師経験のある方がいたので、
比較的そういった問題は解決しやすかったかもしれません。
運営側に医療の知識が一人いると、強いですね。

私は猫を飼っているのですが、この避難所にもペット連れが多く訪れました。
犬、猫、カナリア、ハムスター。どの種とどの種は近づけてよくて、どの種はだめなのか、
など、かなり判断に迷う場面はありました。動物同士もそうですが、人間と動物の相性もあるので、
ペットはすべて同じ部屋というわけにもいかず、神経を使う場面でした。

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最終的にはこうなりました。おこる問題に対処しながら、次々とくる避難者を配置していくのは頭も神経も使う作業でした。
とても難しかったですが、本番が来る前にこうした訓練をしておくのは非常に大切だと実感しました。


休憩はとても大事!

お昼休憩を挟んで約4時間半、全てのカードを配置し終わりましたが、終わった頃には疲労困憊。
正直、午前中だけでもかなり疲れていました。
特に私は「記録係」を請け負い、避難者の名前などをシートにずっと記録していたため、休む暇なくはたらいていた気がします。
もし、実際避難所を運営するとなったら運営側が疲れ切ってしまうと避難所自体がまわらなくなります。
そのため、実は休憩も重要な1つの要素。今回あまり休憩をとったり、係を交代するという頭がなかったのは大きな反省点でした。

また、全体を振り返ると、なにか判断するときの判断基準がとても曖昧だったように感じます。
必要なときには運営マニュアルに立ち戻ったり、有識者にルールを改めてきてみるなどすることも必要だったように思います。
しかし、「自分たちで避難所のことを考え、決めていく」ということは達成できました。
とくに、さまざまな年代・考え方の人があつまって運営していたため、時には反対意見がでることもありましたが、
その中でもうまく折り合いをつけて運営していけたのはとてもいい体験になったと感じています。

災害時に必要なものの展示も

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今回中心となって開催してくれた方が、レトルト食品もたくさんもってきてくれました。今は本当にいろんな食事があって、技術の進歩を感じます。

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また、実際に段ボールベッドで寝てみると、意外と快適!固めのマットレスが好きな人はそう感じるらしく、納得。床から一段上がるだけで快適度が段違いですね。

壮瞥町でもやってみたい

今回体験してみて、一度体験しているかどうかで本番への心構えが全然違うなと感じました。
備えるためにも、壮瞥町内で移住者を対象にしたり、西いぶりで協力隊を対象にしたり、
いろんなコミュニティの中でDoはぐ体験会をやっていきたいと考えています。

Doはぐのゲームは振興局などで借りることができるようです。
興味ある方、いたらぜひ前橋までご連絡ください。一緒にやりましょう!

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