そうべつ手帖

オロフレトマトの栽培研修

壮瞥町地域おこし協力隊のガスです。

令和3年1月の活動をレポートします。

「オロフレトマト」の栽培研修

昨年12月より、壮瞥町オロフレ地熱利用野菜組合様で「オロフレトマト」の栽培研修を受けています。

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自然エネルギー(温泉)を利用した越冬型大型ハウス

「オロフレトマト」とは2.5km先にある弁景温泉から温泉を引き込み、
温泉の熱を利用したクリーンで環境にやさしい栽培方法で生産されたトマトです。

オロフレ地熱利用野菜組合様では、40年ほど前からこのエコな栽培方法に取り組んでおり、
平成16年2月には、化学肥料や化学合成農薬の使用を削減して生産する北海道の″YES!clean表示制度″の
登録集団として、安全・安心なトマトを生産しています。
北海道の中でも一番早い2月頃から出荷され、真冬に完熟の美味しいトマトをいただくことができます。
(壮瞥町では温泉熱を野菜栽培の他、病院、入浴施設などに利用しています。)

誘引用テープ張り

研修が始まった12月、すでに小さな実が付いている状態でした。
トマトには様々な栽培方法がありますが、オロフレトマトでは斜めに伸ばしていく(誘引)ため、
誘引用のテープを張り巡らせます。

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テープに沿わせながら斜めに成長します

頭上の高さに腕を上げた状態で、奥行60メートル以上あるハウス内にテープを張り巡らせていく作業は想像以上に大変です。

わき芽を取る"芽かき"

基本的にトマトは一本の主枝を伸ばすように栽培していきますが、様々な場所からわき芽と呼ばれる新しい芽が出てきます。
放っておくとわき芽はどんどん伸びてしまい、主枝の成長や実に送る栄養が不足してしまうため、
小さなうちに一つ一つ取っていきます。

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手作業で取っていきます

トマトトーンの散布

トマトの実の付きを良くするため、トマトトーン(植物ホルモン剤)を霧吹きで散布します。
トマトトーンはトマト栽培では幅広く使用されおり、着果が安定することで収量の増加につながります。

露地栽培の場合は、風や虫によって受粉できますが、冬のハウス栽培ではホルモン処理はかかせません。

ホルモン剤が葉や茎にかかってしまうと成長に悪影響が出る恐れがあるため、
果房を手で包むように散布していきます。

同じ花房に二度がけした場合も薬害を起こす恐れがあるため、
食紅を混ぜて散布することで目印となり、二度がけを防止しています。

気温によってトマトトーンの濃度を調整するなど、一つ一つの作業に知識や経験が必要となります。

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赤い食紅で目印がついた花

1月、汗ばむ室温のハウス内部

張り巡らせた黒いチューブによって、ハウス全体に温泉を送っています。
各ハウスに入る熱水は約65度あります。

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熱水が通るチューブ

この温泉熱によってハウス内の温度を上昇させますが、温度が上がれば良いという訳ではなく、
日照量に合わせて温度を調整し、成長をコントロールする必要があります。
内部のカーテンと天窓を開閉することで温度を調整しています。

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自動で開閉するカーテン
太陽が出るとカーテンが全開し、真冬でも上着が必要ないほどの室温に

いよいよ2月は収穫シーズン。
真っ赤に色づいたトマトの様子をお伝えしたいと思います。

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