【活動報告】昭和新山登山道の整備およびアメリカオニアザミ駆除を実施しました。
こんにちは、地域おこし協力隊の黒田です。
4月11日(会員向け)、4月18日(一般向け)に予定されている「昭和新山登山学習会」に先立ち、NPO法人有珠山周辺地域ジオパーク友の会会員による事前下見および外来植物の駆除活動を実施しました。
※ 昭和新山は私有地かつ国の特別天然記念物です。環境保護・防災の観点から入山には特別な許可が必要となります。
本活動は、昭和新山の登山経験者を中心としたメンバーが集まり、登山道整備と外来植物駆除の2班に分かれて活動しました。整備班は歩行路の安全点検、倒木の処理、目印テープの取替を行い、私は駆除班に加わり、生態系への影響が懸念される外来種「アメリカオニアザミ」の駆除作業に汗を流しました。

■ 登山道の安全環境整備
登山者の安全を第一に考え、コースを遮っていた倒木の移動を行うとともに、登山道のマーキングとして使用していた目印テープの更新作業を行いました。従来使用していたピンクテープを回収し、環境負荷に配慮したバイオ分解性の青い目印テープへと付け替えを行い、環境にやさしい管理体制へと整えました。
登山道の通路確保のために倒木を移動しています。
自然に還る目印テープに付け替えました。
■ 外来種「アメリカオニアザミ」の駆除と見分け方
特定外来生物であるアメリカオニアザミは、ヨーロッパ原産のキク科アザミ属の多年草で、強力な繁殖力を持つ厄介な存在です。茎の高さは0.5メートルから2メートルになる個体もあり、背が高く、夏から秋にかけて紅紫色の花を咲かせます。種にはタンポポのような綿毛がついており、風に乗って拡散します。葉や茎にはとても鋭いトゲがあり、鹿などの動物も捕食しません。 https://hokkaido.env.go.jp/blog/2020/09/post-554.html
駆除に際しては、在来種である「ノアザミ」との判別に注意が必要でした。
両者は葉の形状が酷似しておりますが、以下の点で区別が可能です。
- アメリカオニアザミ: 葉には鋭い棘状の毛が密生しており、触れると強い痛みを感じます。また、根が非常に太く強固です。
- ノアザミ(在来種): 葉の毛はわずかで質感が柔らかく、触れてもほとんどチクチクしません。根は細いものが分散して生えている形状をしています。
雪解け後に芽吹いたばかりのアメリカオニアザミ

掘り起こしたアメリカオニアザミの根
表面に見えていた葉に対してしっかり根を張っているのが分かります。
今回、地表に見えている葉は小さくとも、地中には極めて太く発達した根が隠れている個体が多く見受けられました。上記写真の根は比較的小さな根です。これらは昨年度に茎が刈り取られたものの、地下の根が生き残り、雪解けとともに再び芽吹いたものと推察されます。その類まれな生命力と繁殖力の高さには驚かされるばかりですが、根が残ると再び再生してしまうため、スコップやテコ付き根起こしを用いて徹底的に掘り起こしました。根が土に触れているとまた再生する可能性があるので根を上に向けて岩の上に置いて乾燥死滅させます。
一方で、昨年花を咲かせ、種子を付けたままの状態で置かれた枯草は、種子の飛散防止のため袋へ回収しました。
■ おわりに
今回の活動では駆除活動の合間に、シカが食い荒らして樹皮がすっかり剥がされた樹木や、山頂の上を飛ぶハヤブサの姿が確認でき、この地に生きる野生生物の営みを観察できたことが大変興味深かったです。

左:鹿が食い荒らした樹木 右:昭和新山山頂を飛ぶハヤブサ、雛が居るのか鳴いていました。
アメリカオニアザミは、長年にわたる継続的な駆除活動の成果か、今回は以前と比較して個体数が減っていたとのことです。今後も持続的な保全活動を通じて、昭和新山の貴重な自然環境を守り継いでいきたいと感じました。
(参考)活動で使用した主な用具:
スコップ*、小ショベル、皮手袋**、手鋸、回収用米袋、目印テープなど
* 根ごと掘り起こせる剣先スコップやテコ付き根起こしが便利
** 布手袋は葉の上の針が貫通するので危険
まじめな話ばかりとなりましたが、最後にゆるい話を少し。
移住してから約1か月、着任早々昭和新山に登らせてもらう機会があったこともあり、すっかり火山性ウイルスに感染しつつあります。火山性ウイルスとは昭和新山と切っても切り離せない三松ファミリーが発症源(?)の火山の魅力に取りつかせる"ナニカ"です(笑
この"ナニカ"を見つけにぜひジオパークを訪れてみてください!
私も三松正夫記念館の現館長・三松靖志氏のガイドを聞いて、うっかりばっちりウイルスが伝播してしまったようで・・・じわじわ来る漢方薬のように効いてきております。
今後の活動でもばっちり楽しみながら、しっかり学んでいきたいと思っています。